尊敬語と謙譲語


最近では上手な話し方が、ビジネスマナーとしても重視される傾向が見られます。当然仕事である以上は、営業を目的とする会話術や、プレゼン(プレゼンテーション 広告活動に関する計画案の提示・説明)の有効な方法を習得するのは、必要不可欠でありましょう。

然しながらその前の段階で、ビジネスマナーの基本となる敬語、その中の尊敬語と謙譲語の区別について、今一度確認をされるのをお勧めします。実際には敬語と総称はされても、上流階級やお稽古事等で使用される敬語と、ビジネスで使用される敬語には隔たりがありますから、この区別も勉強して理解する必要があります。


さて学生時代の国語のテストで、「『行く』という言葉を、尊敬語と謙譲語で、各々答えなさい。」という問題がありませんでしたか?とかく敬語を使い分ける機会の少ない学生時代なら、テスト対策用に勉強する程度で何とかなったでしょう。ところが社会人となると、そう簡単には事は運びません。

何故なら社会に於いては、落ち着いて考えれば解っている事柄でも、用意の無いところへ突然電話を取らされると、誰しも焦るのは無理はないからです。その結果、電話応対の時に「社長はいらっしゃいません。」等と間違えてしまう訳です。こうなるとその本人が恥をかくばかりではなく、「最低限の教育も出来ていないのか。」と、会社全体の値打ちを下げるのは間違いありません。

実はこの社長が不在であるという事実に関しては、身内に当たる上司に対しては尊敬語で「いらっしゃらない。」、取引先に対しては謙譲語で「居りません。」と答えるのが正しいのです。因みにこの場合、現実には「只今、席を外しております。」も多用されています。

余談ですが、営業の人が休暇中の場合、顧客に対しては「休ませて頂いております。」が正しく、お客様から休みを頂くと言う姿勢が基本になります。因みに、「御苦労様」は部下等の目下に対して使う言葉ですから、上司や取引先に対して使ってはなりません。この場合、目上に対しては「お疲れ様」を使うのが正解なのです。

皆さんは常識として御存じだと思いますが、実は同じ敬語の範疇に含まれていても、尊敬語と謙譲語は全く別物です。この内、尊敬語の方は、目上か外部の人に対して、目上か外部の人を持ち上げて使う言葉です。ところが謙譲語の方は、目上か外部の人に対して、自分と身内を下げて使う言葉なのです。

この様に日本語は難しいですが、話し方や言葉遣いは社会人の基本です。そこでプレゼントークやセールストーク等を勉強する前の段階で、今一度尊敬語と謙譲語の使い分けに関して、復習されると良いのではないでしょうか。